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シンディング・ラーセン・ヨハンソン病(膝蓋骨下部)

ジャンプやダッシュといった激しい運動により、膝蓋じん帯(大腿四頭筋)の牽引と膝蓋骨がまだ柔らかいことでおこる骨端症。オスグッド病と鑑別が必要。

 

原因

 膝関節の過度の運動により、膝蓋靭帯(大腿四頭筋)の牽引によって、腱付着部の膝蓋骨下部に血行障害を生じ、阻血性壊死を起こす。

 

好発

 10~12歳の男子に多く、特にジャンプやダッシュをするスポーツに多い(高跳び、幅跳び、短距離、サッカー、バスケットボール、バレーボールなど)しばしば両側性。オスグッドより、やや若年。

 

X-P

 単純X線像で膝蓋骨下端(下極)に石灰化像や骨下像がみられます。

 

症状

ロールズの分類

 1期…スポーツ開始直後に膝蓋骨の直下か直上に疼痛が生じますが、スポーツをするのに支障のないことが多い。

 2期…運動開始時と運動後には痛みが生じますが、運動中には一時的に疼痛は軽快、消失するようになります。

 3期…痛みのためにスポーツの継続が困難となります。

 4期…膝蓋腱の断裂が生じる。痛みは、とくにダッシュやジャンプの動作で強く、ジャンプでは着地動作での症状が強くなる傾向がある。

 

治療

 初期では運動停止を指示し安静固定

 膝関節軽度屈曲位固定、冷シップ

 中期では超音波、超短波、ストレッチなど

 

予後

一般的に良好

 

鑑別

オスグッド病