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ペルテス病(Perthes:大腿骨頭)

激しい運動をする男児に多く見られる股関節の痛み「ペルテス病」

 

原因

反復する小さな外力により大腿骨頭栄養動脈(外側骨頭動脈)に血行障害を生じ阻血性壊死を起こす。

 

好発

5~10歳の男子

男女比5:1

大部分は片側性

 

症状

①徐々に股関節~膝関節に疼痛

②随意性跛行(無意識で跛行し注意すると治る)

患肢の下肢仮性延長

 患肢の疼痛を軽減する為、下肢軽度、外転、外旋する。

 その為、骨盤が患側に傾斜し患側下肢が延長して見える。

 棘果長は正常

④開排運動制限(股関節屈曲位で外方へ開く運動)

 外転内旋制限となる。

 

第1期(初期または滑膜炎期)

第2期(阻血性または壊死期)

第3期(再生期または分裂期)

第4期(遺残期)

 

治療

骨頭への血流促進と股関節の安静(免荷)

①股関節の安静

②長期臥床による牽引療法(2~4kg)厳重な監視必要

③免荷装具の使用

④ギプス固定(両下肢外転、内旋位保持)

⑤手術…内反骨切り術

 

予後

一般的に3~5年 不良(発生年齢が若いほど、予後良好)

高度の扁平化が残っていると変形性股関節症となりやすい。

 

鑑別

単純性股関節炎…運動制限著明(屈曲、内転、内旋)。安静1か月で治る。

股関節結核…あらゆる方向の運動制限。家族歴、既往歴、全身状態の診断重要(ツベルクリン反応陽性)

バンネック病…坐骨恥骨結合部の疼痛、腫脹。X-P濃淡陰影